〜「追悼句」〜




悼・河合さかえさん

福岡  河合さち

父はここから紅山茶花咲き始めからずっと

二十一年間に三度逆らった亡き父へ涙あふれる

杏にみかん刺し鳥たちに父のこと

九十七才を祝ってプリザーブドローズ紅は永遠に

玄界灘の冬空覆う庭の侘助負けないぞ

コンクリートの浅い川底番いの鴨軽快に大寒




悼・草薙猷逸さん

大仙  熊谷和子

届かない賀状猷逸様春海様隆一様

凍星またたいて寂の教え自由律

気骨なれ九十二年蝦夷の血痕に根をおろし

黒枠がみぞれになりダンディーな影に合掌

ひとりの玄関冬帽子好みの形になる

わずかな日射しトラノオの太さも描き

成人を綴り早稲田の杜からメールくる